【現役営業マンが教える】不動産売却査定の手順の流れと事前準備ガイド
- 更新日
- 2024.09.06
- 公開日
- 2024.08.29
こんにちは!
京都で、不動産の売却の仲介や買い取りを専門としております株式会社ワンベールの福田です!
この記事に辿り着いたということは、
「自分の不動産はいくらで売れるの?」「どうやって査定を依頼したらいいの?」とお悩みではないですか?
不動産を売却する流れの一つで、早く売れるか高く売れるかを決める重要な要因の売却価格。その売却価格の参考になる不動産会社による査定価格。
そこで、今回は不動産売却にかかる査定とは?どのように査定額が決まるのか?などを詳しく解説していきます。
💬この記事は次のような人におすすめです!
- 不動産売却の査定の頼み方について知りたい
- 査定額の計算式を教えてほしい
- 査定時の注意するポイントを知りたい
この記事1本で『不動産売却の査定の流れと事前準備』の事について全て理解できるように分かりやすくまとめました!
「不動産売却の査定についてしっかり理解したい!」
そんな人は、ぜひこの記事で不動産査定の概要から不動産査定の流れ、査定額の計算方法、不動産査定の重要性、注意点まで確認してみてください!
それでは、どうぞ!
この記事の監修者
柴田洋平宅地建物取引士
株式会社ワンベール
本店・長岡店・高槻店 統括部長
不動産歴13年 取引実績1200件
不動産の売買、賃貸、管理まで幅広い経験と知識を活かし、売主様の立場で記事を監修しています。私共に住居系・商業系・事業用用地の売買・賃貸をお任せください。
不動産査定とは?
不動産査定とは、一戸建てや土地、マンションなどの不動産を売却したいときに、いくらで売却できそうか?を不動産会社に算出してもらうことです。
不動産査定の重要性
不動産売却時の査定が重要な理由は、「売却予定の不動産の売れる価格を知らないと、高く売却する事も早く売却する事も困難なため」です。
不動産の売り出し価格は、売主様が決めますが、土地や建物は唯一無二の資産であるため正確な価格設定が容易ではありません。
隣の家ですら、建物や日当たりなどの複数の要因によって価格が変動します。また同じ家でも売り出す時期によって、価格が変動することがあります。
その時その時の家の状態の正確な価格を知って、売る金額や期間の設定ミスをおこなさないためにも、不動産取引の専門家である不動産会社による見積もり(査定)が重要です。
不動産査定の種類
不動産の査定方法にはいくつかの種類があり、それぞれの方法ごとに特徴があります。以下で解説していきます。
机上査定
机上査定は、実際に現地を訪問せず売主様からお聞きした情報を元に近隣の不動産取引事例や公示価格、路線価、接道方向やお部屋の向き、面積や形状などを考慮した概算価格を算出します。
室内の状態の良さや眺望などが反映されないので、実際の売却価格と差が生じる可能性があります。
とりあえずの目安価格を知りたい時に向いています。
訪問査定
訪問査定は、机上査定の内容に加え、実際に現地を訪問しますので建物の管理状況や室内の状況、日当たり、詳細な土地の状況なども加味し、より実際の不動産取引額に近い金額を算出します。
机上査定では分からない情報も確認したうえで算出されるので、より精度の高い査定金額となります。
正確な査定金額を知りたい時や、実際に不動産の売却を進める時に向いています。
オンライン査定
オンライン査定は、お客様はご自宅に居ながら、Zoom、Skype、Facetime等のオンラインツールを使用して物件の状況等を確認の上、行う査定方法です。
カメラを通して顔を見ながら対面で会話ができるだけでなく、台所や風呂場を映しながら現状チェックをするなど、カメラで確認したい場所を映しながら査定を進められます。
また、眺望や騒音など実際に現地に行かなければわからないこともカメラ・マイクを通して確認できます。
遠方の方や机上査定より正確な価格を知りたい方に向いています。
AI査定
AI査定とは、人間に代わってAIがマンション、一戸建、土地などの不動産価格を、自動算出してくれるシステムです。過去の不動産取引のデータや、その他の公開情報をもとに、AIが不動産の推定成約価格を導き出す仕組みになっています。
処理スピードが速く、データに基づく客観的な査定結果が得られるとともに、24時間365日、いつでも査定することが可能です。
一方、デザインや機能・性能など物件固有の個性や特長などは査定結果に反映させることができません。
売る気はないが、今の自分の家の価値の大体の価格をざっくり知りたい方に向いていますが、正直あまりおススメではないです。
上記の査定方法ごとにメリット・デメリットがあります。下表をご覧ください。
査定方法 |
メリット |
デメリット |
・不動産会社担当者の訪問が不要 ・査定結果がスピーディーに得られる |
・眺望や室内の状態、物件の特長を査定結果に反映できない ・実際の売却価格と差が生じる可能性が高い |
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・眺望や室内の状態、物件の特長も査定価格に反映される ・精度の高い査定結果を得られる |
・不動産会社担当者の訪問が必要 ・査定結果が得られるまでに時間がかかる |
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・不動産会社担当者の訪問が不要 ・眺望や室内の状態、物件の特長も査定価格に反映される ・比較的制度の高い査定結果を得られる |
・査定結果が得られるまでに時間がかかる ・オンラインツール等の準備が必要 |
|
・不動産会社担当者の訪問が不要 ・査定結果が即時に得られる ・時間を気にせず査定ができる |
・眺望や室内の状態、物件の特長を査定結果に反映できない ・実際の売却価とは程遠い |
それぞれの査定方法のメリット・デメリットをしっかり理解して、最適な査定方法を選択するようにしてください!
査定価格の計算方法
不動産の査定価格を算出する方法は、大きく3つあります。
- 取引事例比較法
- 原価法
- 収益還元法
不動産会社では、不動産の種類に応じてこれらを使い分けています。
①取引事例比較法
取引事例比較法とは、周辺の似ている物件の取引事例をもとに査定価格を算出する方法です。
主にマンションや土地(一戸建ての土地部分も含む)の査定に利用されます。
取引事例比較法では、まず対象物件と似ている物件の過去の取引事例を集め、それらの成約価格を比較して査定価格を決定します。
その後、駅からの距離や室内の状態など、物件固有の状況を見て、価格を修正していくことになります。
類似性が高く、新しい事例を用いるほど精度の高い査定結果が得られるため、査定は取引実績の豊富な不動産会社に依頼するのが重要です。
②原価法
原価法とは、所有している不動産を再度建築した場合に必要となるコストをもとに算出する方法です。
主に一戸建ての建物価格を算出する際に利用されます。
原価法で査定価格を算出するには、再建築した場合のコスト計算、さらに築年数に応じた減価修正が必要です。
計算式は「査定価格 = 単価 × 総面積 × (耐用年数-築年数) ÷ 耐用年数」となります。
以下の条件で実際に計算してみます。
〈例〉面積20坪、築10年の木造一戸建てで、再建築した際の費用が坪50万円の場合
坪50万円 × 20坪 = 1,000万円
1,000万円 × (22年 - 10年) ÷ 22 = 約545万円
よって査定価格は、約545万円となります。
木造住宅の耐用年数は築22年です。そのため、建築されてから22年が経過すると建物の価値はゼロになります。
耐用年数や築年数と査定額の関係について詳しくは、以下のリンクでご確認ください!
③収益還元法
収益還元法とは、その不動産が将来生み出すと予想される利益をもとに算出する方法です。
主に、収益物件としてのアパートやマンション、オフィスなどの査定に利用されます。
収益還元法には「直接還元法」と「DCF法」という2つの方法があります。
・直接還元法
その不動産が1年間で出す利益を、近隣の似ている条件の物件の還元利回り(不動産の収益性を表す利率)で割って、物件の収益価格(査定価格)を求める方法です。
直接還元法の計算式は「査定価格 = 1年間の純利益 ÷ 還元利回り」となります。
以下の条件で、直接還元法を利用して計算してみます。
〈例〉家賃15万円のワンルームマンションで1年にかかる経費が12万円、還元利回りが5%の場合
(15万円 ×12か月) - 12万円 = 168万円
168万 ÷ 5% = 3,360万円
よって査定価格は、 3,360万円となります。
・DCF法
DCF法は、将来得られる収益と売却価格を現在価格に換算し、それらを合計して査定価格を求める方法です。
主に投資用不動産の査定に用いられています。
なおDCF法は計算方法が複雑なため、直接還元法を利用する不動産会社のほうが多いようです。
不動産査定の流れ
- 査定依頼(一括査定サイトや不動産会社のHP)
- 訪問査定の依頼
- 現地調査の実施
- 査定結果の確認
上記では、不動産査定のあらましについて解説してきました。ここからは、本題の不動産査定の流れについて詳しく解説していきます!
査定依頼(一括査定サイトや不動産会社のHP)
まず最初に査定を依頼することから始めます。
最近の傾向として、査定は一括査定サイトや不動産会社のHPを経由して、依頼することが多いです。
信頼できる不動産会社を知っている場合は、その不動産会社のホームページからダイレクトに査定を申し込みます。(当社では、電話・メール・LINEでのお問い合わせとなります!)
訪問査定の依頼
査定を依頼すると、不動産会社から訪問査定の日時を決めるための電話やメールがかかってきます。
査定依頼後、折り返しの連絡がきたら、希望の日時を伝え、訪問査定の日取りを決めます。
現地調査の実施
先ほど不動産会社と決めた訪問日時で、現地調査は行われます。
マンションや戸建ての査定では、家の外はもちろん家の中も正確な価格を出すため全て確認いたします。
また、不動産会社との面談で、「いつまでに売りたい」「いくら以上で売りたい」といった希望を伝えることも重要です。
査定結果の確認
訪問査定の結果は、早ければ翌日、遅くても1週間後くらいには受領できます。
査定結果を受領する場合には、査定の根拠の説明を聞くことが重要です。
不動産会社の中には、仲介の仕事の受注を取りたいがために、高過ぎる査定価格を提示する会社も存在するため、注意が必要です。
悪質な不動産会社を避けるためにも、高すぎる査定価格の場合は、なぜこの価格になるのか、きちんと根拠を確認することがポイントです。
査定後の不動産売却の流れは以下を参照下さい!
→不動産売却流れ
ここまで不動産査定の流れについて見てきましたが、次に不動産査定を依頼する前に準備する事について以下で説明していきます!
不動産査定を依頼する前の準備
不動産査定を依頼する前の準備として以下の事をしておくと、時間の無駄を省けてスムーズに売却活動に移れるようになります。
不動産査定を依頼する前にすべきこと
- 必要書類の準備
- 周辺の売買相場の把握
- 持ち家やマンションの長所の把握
- 境界の確認(戸建て・土地)
- 診断実績の確認
必要書類の準備
不動産の査定時に必要な書類は、極論を言いますと『本人確認書類』のみあれば可能ですが、それではあまりにも情報が少ないため、重要な以下の4つの書類をまずご用意下さい。
『本人確認書類』『登記済権利書』『物件の間取り図』『購入時の契約書類』
上記の4つの重要書類の取得方法や詳細と上記以外にもあれば更に査定の質や売却活動の質が上がる任意書類もありますので、以下のリンクで確認して用意できそうなものはできるだけ用意しておきましょう!
周辺の売買相場の把握
査定を依頼する前は、周辺の売買相場をある程度把握しておいた方が良いです。
相場を把握することで、不動産会社による査定の結果が高過ぎるまたは安過ぎるといった判断をすることができるためです!
マンションであれば、同じマンション内の他の部屋の売却チラシが参考になります。
土地であれば、周辺の地価公示価格や都道府県地価調査の価格が参考にしやすいです。
一方で、戸建てについては相場の把握はかなり難しいため、簡易査定を利用するのが良いかと思います。
【自分で相場を把握できるサイト】
・レインズマーケットインフォメーション
・財産評価基準書 路線価図・評価倍率表路線価
・不動産情報ライブラリ(旧土地総合システム)
・固定資産税評価額
売却する不動産の長所の把握
売却する不動産の長所は、これから買われる人へのアピールとなります!
住んでいる人しか分からない事を、売却前に箇条書きしておく事をおすすめします。
例えば
- リフォームして綺麗になっている部分
- 日当たり
- 外壁塗装の有無
- シロアリ駆除をした
- 近所に住んでいる方はどんな人なのか
- 生活音 など
これを見て買主様に営業マンも、アプローチしやすくなります!
また、マイナスポイントも合わせて書いておくと良いです!意外に、良い事だけ書いてあっても買主様は「いい事ばかりで怪しい、、、」って思われる方もいるため、事実のマイナスポイントもあれば、納得して購入して貰いやすいのと後にもしトラブルが起きても回避できて良いです!
境界の確認(戸建て・土地)
マンションは分譲時点で境界が確定されているため、境界の心配は不要となりますが、
一方で、戸建てや土地は境界が確定されている保証がないことから、買主様は境界が確定していることを購入の条件とすることが一般的です。
境界が確定していない物件を売る場合には、原則として引渡時まで全ての境界を確定する必要があります。
境界の確定は、場合によっては半年以上の時間がかかることもあるため、査定時点で境界が確定していない物件は、すぐに売却できない可能性が高いです。
そのため、戸建てや土地を売る場合には、境界を確定し、売れる状態にしてから査定を依頼することが望ましいです!
診断実績の確認
診断実績の確認もしておいて下さい!
住宅性能評価書や耐震診断等の建物診断を実施している場合も、アピールポイントです!
建物の専門家による客観的な評価が実施されている物件は、売却しやすくなります。
このように、事前の準備をしっかりしているとスムーズに売却活動ができるため、時間の無駄を省け計画的に売却する事ができます!
不動産査定での注意点
不動産査定を受ける際には、いくつかの注意点があります。ここでは代表的な注意点を4つ紹介します。
・査定額=売却額ではない
不動産査定で得られる査定額は、あくまで物件の価値を評価したものであり、実際の売却額ではありません。
実際の売却額は、査定額に加えて、市場の動向や需要・供給のバランス、買主様との交渉などを考慮して営業マンと相談した上で、最終的に売主様が決定するものです。
そのため、査定額に固執せずに、柔軟に売却価格を決めることが重要です。
・不動産査定は高めに査定される傾向がある
不動産査定では、物件の価値を評価するために、様々な要素を考慮します。
そのため、不動産会社によって査定方法や査定基準が異なり、やや高めに査定される傾向が多いです。
これは、不動産会社が、売主様の心理をついて、売却の依頼を引きつけるための手段である可能性があります。
そのため、不動産査定は、あくまで参考値であり、信頼できる不動産会社がない場合、複数の不動産会社に査定を依頼して、査定額を比較することをおすすめします!
不動産会社選びは、査定額だけでなく不動産会社の信頼性やサービス内容なども考慮して、売却のパートナーを選ぶことが重要です。
・不具合や瑕疵がないか確認する
不動産査定では、物件の状態や品質が査定額に影響しますが、知っている不具合や瑕疵がある場合は必ず開示するようにして下さい。
なぜなら、売却の際には、不具合や瑕疵の有無や内容を買主様に開示する義務があるからです。
開示しない場合や、虚偽の開示をした場合は、買主様から損害賠償や契約解除を求められる可能性があります。
そのため、物件を売却する前に、不具合や瑕疵がないか確認することが重要です。
不具合や瑕疵とは、以下のようなものです。
- 基礎や柱などの構造部分にひびや傾きがある
- 防水や断熱などの性能が低下している
- 配管や電気などの設備に漏水やショートがある
- 土地に地盤沈下や地すべりがある
- 土地に汚染物質や埋設物がある
また確認する方法として、2つあります。
自分で目視する or 専門家に点検してもらう
もし不具合や瑕疵がある場合は、修理や補修を行い売却価格を保つか、直さず売却価格を下げて調整することができます。
実務的には、後者の方が多い印象です!
・リフォームやハウスクリーニングは必要ない
不動産査定では、物件の状態や品質が査定額に影響しますが、物件を売却する前に、リフォームやハウスクリーニングを行う必要はありません。
リフォームやハウスクリーニングは、物件の見た目や清潔感を向上させることができるため、「した方がいいかな?」っと、考える方も多いですが、実際の査定額にはほとんど影響しません。
もちろん、物件の状態や品質が極端に悪い場合は、リフォームやハウスクリーニングを行うことで、査定額や売却価格にプラスになる場合もありますが、その場合でも、リフォームやハウスクリーニングにかかる費用や時間が、査定額や売却価格のプラスに見合うかどうかを、よく検討する必要があります。
また、リフォームやハウスクリーニングを行っても、買主様の好みやニーズに合わない場合もあるため、無理に物件を売却する前に、リフォームやハウスクリーニングを行う必要はないと言えます!
まとめ
最後まで読んで頂きありがとうございます!
この記事では、不動産売却査定の流れと事前に知っておきたい知識について解説していきました。
不動産売却査定の流れと事前に知っておきたい知識をまとめると
・不動産査定とは、一戸建てや土地、マンションなどの不動産を売却したいときに、いくらくらいで売却できそうか?を不動産会社に算出してもらうこと。
・不動産売却時の査定は、適切な価格を知る事により高く売却する事も早く売却する事もできるため重要。
・不動産の査定価格を算出する方法は、大きく3つある。
・事前準備をしっかりしておくと、時間の無駄なく計画的に売却活動ができる
・不動産会社選びは、査定額だけでなく不動産会社の信頼性やサービス内容なども考慮して、売却のパートナーを選ぶことが重要。
以上です!
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京都不動産売却所が選ばれる理由
①京都で生まれ育った京都に詳しい不動産会社
地域密着で地域の情報や建物に詳しい!転勤などが無いため、困り事にも担当が変わらないため、すぐにサポート!
②売却に関するあれこれをワンストップでできる
相続案件、残置物の処理、お家の解体、売却後の買い替え先の物件の紹介など、全ての疑問を弊社では解決できること
③信頼のおける士業との連携
士業との連携は、不動産取引には欠かせません。京都の不動産関係に強い士業との連携により難しい問題も解決!
④売却後のアフターフォローの最後まで丁寧に
ご相談から売却活動中はもちろん、売却後のアフターフォローまでしっかり責任をもって取り組み、他の会社様より信頼関係を構築できます
この記事の筆者
福田株式会社ワンベール営業
京都市生まれ。元々は整体業で独立開業。9年の経営を経て、昔から興味のあった不動産業に縁があり不動産営業マンの道へ。不動産のプロとして、皆様の不動産売却の悩みを解決できるように最新情報をどんどん発信していきます。